- ぬすびと
- ぬすびと【盗人】(1)他人の物を盗む人。 どろぼう。 盗賊。 ぬすっと。 ぬすと。(2)人をののしっていう語。 ぬすっと。
「かぐや姫てふ大~の奴が/竹取」
~猛猛(タケダケ)しい「ぬすっと猛猛(タケダケ)しい」に同じ。~に追い「盗人(ヌスビト)に追い銭(セン)」に同じ。「それは~といふ物なり/浮世草子・胸算用 1」
~に追い銭(セン)盗人に物をとられたうえに, さらに銭を与えてやること。 損の上に損を重ねることのたとえ。~に鍵(カギ)を預(アズ)ける災いのもとになるものに, それを助長するものを与え, 被害を大きくすることのたとえ。~にも三分(サンブ)の理(リ)盗人が盗みをするのにも, それなりの理由があること。 どんなことにでも, 理屈をつけようと思えばつけられることのたとえ。~の上前(ウワマエ)を取る盗人が盗んできた物の一部をかすり取る。 ひどくたちの悪いこと。 また, 悪人の上にもさらに極悪な者がいることのたとえ。~の逆恨(サカウラ)み盗人が自分の悪事はたなに上げて, 捕らえた人や被害者を恨むこと。~の隙(ヒマ)はあれども守(マモ)り手の隙がない盗人は都合のよいときを見計らって入るが, 番人は四六時中見張っていなければならないので暇がない。 盗人は防ぎきれないことのたとえ。~の昼寝夜の稼ぎに備えて盗人が昼寝をすること。 一見, 何の目的もなさそうに見える行為にも, あとの行動への考えがあることのたとえ。~を捕らえて見れば我が子なりあまりの事の意外さに処置に窮することのたとえ。 また, 身近な者にも油断できないことにいう。~を見て縄を綯(ナ)う「泥棒(ドロボウ)を捕(ト)らえて縄(ナワ)を綯(ナ)う」に同じ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.